バウムテストのやり方・解釈を解説

アートセラピー

子どもの心理がわかる!バウムテストのやり方・解釈方法を解説

バウムテストって何ですか?なんだかおいしそう?
バウムテストは、樹木画テストとも言って、パーソナリティ検査のひとつです。スイスの心理学者コッホによって開発されました。木を描くことによって、その人の深層心理、パーソナリティや社会に対する態度がわかんですよ。
chihiro
木の絵だけで深層心理がわかっちゃうんですか?
バウムテストは読み解きが難しいと言われています。読み解く人によっても解釈が違ってきてしまうというところも少し難点です。ただ、木の絵は描きやすいので、子どもにも描いてもらいやすいというメリットがあります。
chihiro

この記事を読むと次のことがわかります!

  • バウムテストのやり方がわかる
  • バウムテストの解釈の仕方、絵の見方がわかる
chihiro
この記事は、アートセラピーに興味がある初心者の方、子どもの絵の解釈を知りたい方向けに書いています。

バウムテスト(樹木画テスト)のやり方とは?

それでは早速、バウムテストのやり方を紹介します。

用意するもの

  • A4版の画用紙(縦書き)
  • 4Bの鉛筆
  • 消しゴム

「一本の実のなる木を描いてください」と子どもに伝え、描いてもらいます。

chihiro
やり方はこれだけです!とっても簡単なので、子どもにも描いてもらいやすいのでおすすめですよ。

鉛筆の硬さは、「4B」や「2B」「HB」などの説がありますが、4Bだとやわらかく子どもでも描きやすいのでオススメです!

バウムテスト(樹木画テスト)の解釈とは?

バウムテストの解釈は、繊細なので難しいです。

あくまで、「こう描いてあるからあなたは○○なのね」と決めつけるのではなく、「絵からこのように読み取れるんだけど、○○なのかな?」と相手の話を聞きながら、組み立てていきましょう。

全体感:木のサイズや位置、描き方から子どもの状況をとらえる

木のサイズが画面に対してどのくらいか

画面に対して大きく描いている 活動性、自分が成長していく感じをあらわしている
画面に対して小さく描いている(用紙の1/3以下) 不安感、無力感、劣等感を感じている

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木が画面に対して、どの位置に寄っているか

画面左側に寄っている 母親の存在感が大きい、女性性が強い
画面右側に寄っている 父親の存在感が大きい、男性性が強い
画面上側に寄っている 空想、夢見がちで、あまり現実的でない
画面下側に寄っている 現実的、安定志向で受け身のところがある

木が画面に対して、切れている部分はないか?

上が切断された木 未来に自信を持っている。注意深さが足りないこともある。
下が切断された木 衝動を抑圧している。
右が切断された木 未来、男性性に固執している。ファザコンのこともある。
左が切断された木 男性、または未来を恐れている。過去や女性性に固執している。
バウムテスト:木の切断

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筆圧は、精神状態をあらわす

筆圧が強い エネルギーがある、自己主張が強い、攻撃性がある、活動的
筆圧が弱い 不安、無気力、恐怖を感じている
chihiro
まずは、全体感からの印象をとらえます。筆圧やストロークは、特にその時の精神状態が出やすいので注意して見てみるといいでしょう。

バウムテストの、樹木の部分ごとの意味を解説

バウムテストでは、樹木の部分ごとの描き方から、その子どもの意識のあり方、社会への態度などを読み取っていきます。

バウムテスト:解釈のやり方

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子どもの描くバウムは、その子の心の発達によって変化していきます。未就学児の子どもは、一般的に上のような大人が描きそうな樹冠が大きなバウムを描くことは少なく、棒線だけのバウムや、四角で描かれたバウムなどが出てきます。バウムテストでは、その子の心の発達してきた時期に、その子の描いたバウムにその特徴があらわれるととらえます。

chihiro
未就学児の子どもは、自我を形成する時期なので、まずは幹が描けているかどうかがポイントになります。もくもくとした樹冠は社会への態度をあらわすので、年長さんから小学校低学年ころにあらわれてくることが多いです。

幹は現実の自我の強さをあらわす

幹は上に行くほど現在、下に行くほど過去をあらわすととらえます。

  • 幹の上方:現在や、意識された経験をあらわす
  • 幹の下方:幼少期や過去、意識化されていない経験をあらわす
一般的な幹の解釈
幅が等しい幹 頑固な傾向がある
根元が広い幹 感情や欲求に支配されがち、自分を統制できない
幹の上が広い木 自分で統制できない衝動、感情的な傾向がある
左側にふくらんだ木 過去や母への愛着をあらわす、内向的なところがある
右側にふくらんだ木 未来への期待、父の同一化、外向的なところがある
樹冠(葉っぱの茂み)が小さく、幹が長い木 未成熟さをあらわす
樹幹が大きく幹が短い木 うぬぼれ、人間関係の不適応をあらわす
一般的に注意が必要な幹の描き方
幹を黒く塗りつぶす 防衛、拒否をしている
うろこ状の模様の幹 トラウマ、警戒心
長い垂直な模様の幹 硬いところがある、エネルギー統制をしている
幹の左側につけた影 内向的、母や女性への抵抗
幹の右側につけた影 外向的、父や男性性の拒否
ふし穴、おおきな穴(うろ) 不安、トラウマ
子どもに多い幹の描き方

一本幹→幹を一本の線で描くタイプ

子どもの描くバウムテストの幹(一本幹)

二本幹→幹を二本の直線で描くタイプ

子どもの描くバウムテストの幹(二本幹)

幹上直→幹の上が線で閉じられているタイプ

子どもの描くバウムテストの幹(幹上直)

子どもは心が発達するにしたがって、一本幹→二本幹→幹上直のように絵も変化していきます。たとえば幹上直は、幼稚園の子どもでは60%が描きますが、小学5年生になるころには、ほどんとの子が描かなくなります。子どもが大きくなってもこのような幹を描く場合は、退行のサインと読み取ることができます。

chihiro
退行のサインはあくまで一般的なものです。また、絵だけで判断することはできないので気を付けましょう。子どものバウムの幹の変化=自我の発達を楽しむくらいの気持ちで見てあげると成長の喜びを感じることができるのではないかと思います。

根は無意識・本能的な欲求や、現実へどのように対応するかをあらわす

一般的な根の解釈
地面のラインを描かない 現実との向き合い方に問題がある
根・地面のラインを描かない 不安定さ、自信のなさをあらわす
用紙の下を地面として描く 不安、抑うつ傾向がある
爪のような根 現実世界への攻撃的態度をあらわす
根から地面へと線がつながる ものごとを客観的にとらえられない
6歳から7歳の子どもが描く典型的な根元

6歳から7歳の子どもは、このような根元を描くことが多いです。

子どもの描くバウムテストの幹

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たとえばまっすぐな根元は、幼稚園では38%くらいの子どもが描きますが、小学5年生になるとほどんとの子どもが描かなくなります。

子どもの描くバウムテスト(まっすぐな根元)

まっすぐな根元の例

子どもが大きくなってもこのような根元を描く場合は、退行のサインと読み取ることができます。

chihiro
一般的な解釈では、根から地面へつながるのは「ものごとを客観的にとらえらえられない」となりますが6~7歳では一般的な絵になります。子どもの絵を見るときは、あまり悲観的にとらえず、「この子はその部分がまだ未開発なんだな。」と見守ってあげる姿勢が大切です。

樹冠(葉っぱの茂み)は、目標や社会への態度をあらわす

一般的な樹冠の解釈

樹冠の左側を強調して描く 内向、過去へのこだわりがある
樹冠の右側を強調して描く 外向、未来への期待がある
横に広がる、上部が平らな樹冠 外からの圧力に屈従している
炎のように上に伸びている樹冠 要求水準の高さ、積極性、感情的
雲形の樹冠 豊かな感受性をあわらす
円形の樹冠 未成熟さをあらわす
半円形の樹冠 内向、過度に自分の欠点を考えてしまう
多くの領域に分かれた樹冠 自分の考えをストレートに出さない、用心深い

葉は感性、外向性をあらわす

一般的な葉の解釈

葉の茂みがある木 観察力、好奇心、感受性
大きすぎる葉を描く 無力感を持ちながら、表面適応している
葉の散る木 感受性の強さ、社会の要求に同調できない
木に描かれた花 自己顕示、外見への関心

枝は、社会にどう手を伸ばすかをあらわす

一般的的な枝の解釈

先のとがった枝 敵意、攻撃性、感受性
曲がった枝 社交性、感受性
切り取られた枝、折れた枝 トラウマ体験、無力感
上に伸びる枝 活動的
下に伸びる枝 失敗、葛藤
手のような形の枝 外向性、なにかを達成したいという要求

バウムテストってそもそも何?

バウムテストは、樹木画テストとも言って、パーソナリティ検査のひとつです。スイスの心理学者であり、職業コンサルタントでもあるカール・コッホによって開発されました。

バウムテストは、描かれた木の絵に、それを描いた人にパーソナリティが映し出されている(心理学用語では「投影」といいます)と考えます。木に描かれたかたちなどに、描いた人の自己像があらわれているとみなします。

バウムテストの面白いところは、描いた人が意識している心の状態だけでなく、本人でも気づいていない無意識の心の状態を含めた自己像が、木の絵としてあらわれるところです。

まとめ

バウムテストは、子どもからおとなまで使えるパーソナリティ検査です。特に言語化が苦手な人や、子どもに向いています。

子どもが今どんな状態なのか知りたい人は、試してみるといいかもしれません。

ただしバウムテストと言っても、いわゆる一般的な「心理テスト」のように「あなたは○○と描いているので△△な性格です」などど一歩的に決めつけるのはやめましょう。子どもの状況を総合的に見ながら、この子は今何に困っているのか?何を支援してもらいたがっているのか?という目線で分析してみるといいでしょう。

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