この記事でわかること
- 不登校からの心の回復のプロセスがわかる!
- プロセスごとに、親はどう接すればいいのかわかる!
- 困ったときの相談先がわかる!
不登校からの心の回復プロセス5段階とは?
不登校からの心の回復には5つのプロセスがあります。このプロセスを知っておくだけでも、親としての心持ちは違うと思います。
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1沈黙期
子どもは「おなかが痛くて学校に行けない」などの身体症状があらわれ、学校に行けなくなります。
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2爆発期
甘えや怒りがあらわれ「お母さんのせいだ」「こんな自分はいなくなればいい」などの暴力的な言動が出てきます。
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3言語化期
感情の起伏は激しいが、会話が成り立ち始めます。
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4信頼期
親との会話は減るが、信頼関係が再構築された状態。
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5回復期
外に出たりできるようになります。しかし、学校に行くにはステップが必要です。また、学校に行く以外の選択をすることもあります。
回復のプロセス5段階、それぞれ親はどう対応したらいい??
子どもが不登校になると、親はどう接していいのか本当に困りますよね…。実は、段階ごとに親がとるべき対応は少しずつ変わってきます。
前提として、子どもが学校を休むのは法律で保障されている
前提として知っておいて欲しいのは、2007年に定められた「教育機会確保法」という法律があり、「子どもが学校を休むことは、法律でも保障されている」ということです。
また、「義務教育だから、学校に行かせないと…」という人がたまにいますが、義務教育の義務とは「親が子供に教育を受けさせる義務がある」ということを意味します。子どもが学校に行く義務があるという意味ではないので、安心してください。
不登校の段階別 親の対応方法
沈黙期は、状況を受け入れることが大事
沈黙期は、子どもが「おなかが痛くて学校に行けない」などの身体症状が出ますが、叱らず受け入れることが大事です。無理に学校に行かせようとするのは禁物で、とことん休ませてあげましょう。
爆発期は、子どもの愛情を試す行為にとことん付き合う
爆発期は、子どもが赤ちゃんのようにベタベタしてきたり、かと思うとイライラを親にぶつけてきたりします。これは親への試し行為で、「自分を受け入れてくれるだろうか?」と愛情を試しているのです。本当に大変ですが、これも叱らずにとことん付き合うことが大事です。
言語化期は、子どもの話を受け止める
言語化期は、感情の起伏は激しいものの、身体症状がなくなります。学校で何かあったかを話してくれることもあります。少し元気に見えるので「学校に行ってみたら?」と言いたくなりますが、焦って学校に行かせようとしないようにしましょう。
信頼期は、見守りと選択肢を伝える
信頼期は、親との会話は減りますが、何かあれば話すようになります。信頼関係ができてきたあらわれです。子どもの意志を尊重し、見守りながら選択肢を伝えるようにしましょう。学校に行ける子、行けない子がいるので、学校以外の選択肢を伝えておくのも手です。
回復期は、子どもファーストで考える
子どもが「ひま~」と言い始めたら、回復期になってきたサインです。
回復といっても、以前の子どもとは違う人に生まれ変わるというイメージが近いです。大人の意見を押し付けるのではなく、子どもがひとつ自立の段階を乗り越えたととらえられるようになるといいでしょう。
そもそも、なぜ不登校になるの??
不登校は、子どもの心が疲れてオーバーヒートすることで起きると言われています。心の疲れの原因としては、友達や先生との関係、頑張りすぎる(いい子でいなくてはという脅迫感)、人一倍敏感な子などがあげられます。
私の個人的見解
個人的には、不登校の回復プロセスは「うつ病の回復プロセス」に近いと思っています。子どもは学校でうまくやろうと思ったのに、うまくいかなかったから、身体に症状が出てきてしまっているんですね。大人も職場でうつ病になったときは、ゆっくり休むことが大事だというのは誰でもわかると思います。それと同じで子どもは休みながら、漫画を読んだり、音楽を聞いたり、ゲームをすることで、気持ちを別の方向に行かせ、傷ついた心を回復しようとしているんだと思います。
うつ病でも、気持ちが落ち着いたとしても、同じ職場の同じ部署にもどりたい人ってなかなかいないと思います。でも、学校はもう一度同じ場所しか戻れないんです。傷ついた同じところに戻れというのは、すごくプレッシャーだと思います。
同じ学校だとしても、環境を変えたり、先生に相談しながらアプローチを変えたり、何か大人側から変化することが大切なのではないでしょうか。目線を変えて、フリースクールや別の居場所を検討するというのも、ひとつの方法だと思います。
パートナーや学校側と、対応の意見が合わなかったらどうすればいい?
残念ながら、母親が子どもを休ませた方がいいと思っても、パートナーに「学校に行ったほうがいいんじゃないか」と言われたり、学校から「お子さんを少しでもいいので連れてきてください」と言われるケースはあとを絶ちません。私自身もそのような時期がありましたし、まわりに同じような友人がたくさんいます。
そんな時は、第三者に相談したり話を聞いてもらったりするのがおすすめです。
不登校の親の会に参加してみる
まずは、不登校の親の会に参加してみるのがおすすめです。「○○市、不登校、親の会」などで検索すると、近くの親の会が出てきます。
親の会は、だいたい当事者の親が必要を感じて、ボランティアで運営しているところが多いです。親の会のいいところは、なんといっても当事者の親同士なので、悩みをすぐに理解・共感してくれるところだと思います。
また、地元の情報も相談できるので、公的な相談はどこにするのがいいのかや、学校の情報ももらえることもあります。
人に気持ちを聞いてもらうのは、最初は勇気がいると思いますが、言葉にすることで心が緩んで気持ちが楽になることもあると思います。
教育相談センターに相談してみる
教育相談センターは、各自治体にある教育委員会が運営しています。「○○市、教育相談センター」で検索すると、連絡先が出てきます。
まずは電話で相談してみるというのもありだと思いますし、予約をとって対面形式で相談するやり方もあります。
学校に改善を求める場合は、スクールカウンセラーよりも、スクールソーシャルワーカーに相談する
スクールカウンセラーは、あくまで「個人の悩みを聞き、心に寄り添う」という立場です。何か改善をする人ではありません。
いっぽう、スクールソーシャルワーカーは、関係機関と連携し、子どもを取り巻く環境を変えるのが仕事です。
状況によって、どちらが必要なのかを考えて相談するといいでしょう。
まとめ
不登校からの心の回復プロセスは、5段階あります。沈黙期、爆発期、言語化期、信頼期、回復期です。子どもは段階を踏んで心を回復させていきますが、我慢した時期が長いほど回復に時間がかかる傾向があります。
回復期になるまでは、子どもの心に寄り添いながら、無理に学校に行かせないことが大切です!!!でも、自分だけでそれを抱えるのは本当に大変です。
親の会や、教育相談センター、スクールソーシャルワーカーなど、身近な相談先を見つけて、親自身の不安を聞いてもらいましょう。少しでも心が緩むと、子どもにも優しく接することができると思います。
今は、出口の見えないトンネルにいるように感じると思います。でも、当事者の親という仲間は、探せばたくさんいます。共感し、応援しあえる仲間を見つけ、安心できる時間を作ってほしいなと感じています。子どもは、少しずつ成長しています。あなたは、ひとりではないですよ!