この記事では、次のことがわかります!
・心理学に全然くわしくない人でも、個人的無意識のことがわかる!
・ユングのコンプレックスの意味がわかる!
個人的無意識とは、無意識の中でコンプレックスがしまわれている領域
ユング心理学では、心の中を「意識」「個人的無意識」「集合的無意識」の3つに分けてとらえます。個人的無意識とは、無意識の中でも個人的な体験や記憶、コンプレックスがしまわれている領域のことです。
いっぽう、「集合的無意識」とは、無意識のより深い層にあり、個人を超えて人類共通にある無意識のことです。
コンプレックスとは「感情に色づけられた心の集合体」のこと
ユング心理学でのコンプレックスとは「感情に色づけられた心の集合体(心的複合体)」のことです。意識の範囲にない、無意識的な心で働くものの集合体を「コンプレックス」と呼んだのです。
ユングは1906年に「感情によって色づけられたコンプレックス」という言葉を著作に書き、その後簡単に「コンプレックス」と呼ばれるようになりました。
ユングの言うコンプレックスは、ネガティブな意味だけではありません。ユングは個人の強い感情体験や、体験の積み重ねでコンプレックスがつくられると考えました。つまり、ポジティブな感情体験が多ければポジティブなコンプレックスがつくられ、ネガティブな感情体験が多ければ、ネガティブなコンプレックスがつくられるのです。
ユングは、コンプレックスを意識的な自我と統合することで、人格を発展させられると考えていました。このような人格の発展を自己実現といいます。
個人的無意識を見つめなおすメリット→対人関係が良くなる!
個人的無意識の中には、コンプレックスが気づかないうちにしまわれています。コンプレックスにより、否定的な決め事をしてしまうことで、その後の人間関係に悪い影響を及ぼしていることがあります。
コンプレックスに気づき、否定的な決め事を肯定的に捉えなおすことで、現実の捉え方も変えていくことができます。結果的に対人関係の問題が良くなることがあります。
コンプレックスがよくあらわれるのが、夢です。夢の中では、ふだん意識していない無意識の世界が出てきます。ユングは、夢はコンプレックスのあらわれで、自我(意識している世界の自分)へのメッセージとしてとらえていました。
個人的無意識に気づいたあとは、集合的無意識との対決が待っている!?
個人的無意識にあるコンプレックスと向き合うと、対人関係がいい方向にいくなぁというのは、私自身感じています。
しかしコンプレックスを解消しただけでは、人々の悩みや神経症が治るわけでないことにユングは気づいていました。
個人的無意識の内容を意識化しても、なお残る人間の悩みや不安を生み出すものを、ユングは「集合的無意識」と名付けました。ユング心理学では、集合的無意識という人類全体のよくおちいるパターンから自分を引き離し、セルフという最高の状態になっていくこと目指しています。
集合的無意識の解説はこちら
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ユング心理学の集合的無意識とは?初心者にもわかりやすく解説
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私としては、まずは個人的無意識と向き合うだけでも、だいぶ楽になることも増えてくると感じています。でも、集合的無意識を知ると、たとえば「この子どもの発言は、集合的無意識からくるのではないか?」などととらえることができて、なかなか面白いです。
まとめ
個人的無意識とは、無意識の中でも個人的なもので、コンプレックスがしまわれている領域のことでした。
個人的無意識と向き合うと、対人関係にいい影響を及ぼすことがあります。
ユング心理学では、無意識のもっと奥深くにある集合的無意識と向き合っていくことで、最高の状態になっていくとされています。あなたも個人的無意識・集合的無意識と向き合い、新たな自分と出会ってみませんか?