この記事では、ユング心理学の夢分析のやり方を紹介します。
まずは、夢を楽しんでみてくださいね。
ユング心理学の夢分析は、つづけることで深層心理が見えてくる
ユング心理学では、夢は大切な要素です。起きているときの自分は、意識的に自分を制御していますが、寝ると無意識(深層心理)の世界に入っていき、無意識からいろいろなメッセージをくれるからです。
夢からメッセージをとるには、少なくとも1か月程度は夢を観察するのがおすすめです。夢を長い間観察すると、同じようなパターンの夢や、何かしらメッセージ性を感じることが多いからです。
夢分析のやり方を7ステップで紹介!
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1枕元にメモ・スマホを用意する
夢を見ても、少し時間がたつと忘れてしまうという経験がある方は多いのではないでしょうか。夢分析をするために夢の記録をするには、起きてからすぐにメモをとるのが一番です。枕元にメモやスマホを置いて、いつでも記入できるスタンバイをして眠りましょう。
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2寝る前に、夢にメッセージが欲しいとお願いしてから眠る
意外に大事なのが、これです!私は、寝る前に「今、私に必要なメッセージをください」とお願いしてから眠ります。すると、何かをあらわすような不思議な夢を見ることが多いです。何も考えないで寝ると、ただ現実で悩んでいることを夢に見てしまったりします。
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3起きたら、すぐにメモをとる
起きたらすぐにメモ!これも重要です。夢は時間がたてばたつほど忘れてしまうものです。夢は、一瞬で見ているので、けっこう忘れやすいのです。私は、「あとちょっと寝よう」という5分くらいで、壮大な長~い夢を見ることがあります。
きっと記憶に残らない領域で、夢を見ているのでしょう。とにかく、見た夢をそのまますぐにメモします!
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41か月程度、夢のメモをとり続ける
意外に大変なのですが、たくさん夢があったほうが、自分にとってのメッセージがとりやすいです。最低、5~10個は夢をとれるように頑張ってください。夢全体を詳細に記録するではなく、印象的なワンシーンだけでもかまいません。
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5よく出てくるシチュエーションやシンボルに注目する
夢が5~10個集まったら、いよいよ分析です。夢の中に出てくるシチュエーションやシンボルにマーキングしていきます。
シチュエーションの例→「逃げる」「追われる」「怒られる」「悲しくなる」「なにかにおびえている」など、動詞に注目する
シンボルの例→よく出てくるものがないかチェックします。「帽子」「洋服」「電話」「動物」「乗り物」など名詞に注目する
シンボルやシチュエーションの意味は、夢事典などから引いてもいいのですが、ユング心理学では自分にとってのシンボルの意味を重要視します。やり方は、次の章「自分にとってのシンボルの意味を考える方法-拡充法-」で詳しく説明しますね!
夢事典は参考程度に、自分がどうとらえたか、感じたかを分析していきましょう。
夢のシンボルを知りたい方はこちら
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6登場人物の意味するものを考える
ユング心理学では、夢に出てきた人物を「自分の分身」ととらえます。自分が日常生活で生きられていない部分が、夢で別の人となってあらわれるのです。夢に出てきた人物が、自分のどんな隠された部分の表現として出てきたのか、考えてみましょう。
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7夢からメッセージを受け取る
ユング心理学では、夢は目的を持って、夢主の前にあらわれるととらえます。何か伝えたいことがあって、夢を見るということなんです。step5.6を何回か繰り返して、夢はあなたに何について語りかけようとしているのか、感じてみましょう。
自分にとってのシンボルの意味を考える方法-拡充法-
ユング心理学の夢分析では、一般的なシンボルの意味も考えますが、自分にとってのシンボルの意味を重要視します。自分にとってのシンボルの意味を考える方法が拡充法です。
拡充法のやり方
拡充法は、ひとつのキーワードから、いくつも連想することばを書き出していきます。
例1:電車の夢を分析する場合
「自分にとって電車とは?」を書き出してみます。ポイントは、つぎつぎに連想していくのではなく、「電車」のイメージだけで、自分にとっての意味を書き出すことです。
- 混雑していて嫌な場所
- 知らない人がたくさんいて不快な場所
- どこかへ行かされる
- 行きたくない会社にいく
- 強制
- 集団
たくさん書き出していくことで、他の夢に出てきたシンボルから連想するテーマとつながるものを探します。
たとえば、「電車」の「強制」や「集団」がなにか自分のテーマになりそうと感じたら、別の夢で同じようなシンボルがないかをさがします。
似たような例をさがす:「学校」の夢を分析する場合
「自分にとって学校とは?」を書き出します。
- たくさん人がいて不快な場所
- やりたくないことをやらされる場所
- 文化祭で嫌なことがあった
- 同じことをさせられる場所
いくつか見ていくと、「行かされる」「やらされる」「させられる」などのやらされ感のあるワードが並んでいることに気づきます。やらされ感について、何か課題がないか?を心で感じてみます。気づいていないけれど、本当はやりたくもないことを、無理にポジティブにとらえて前向きに取り組んで疲れている自分がいるかもしれない…といったように考えていきます。
夢分析の実例-私の夢分析を例にご紹介します!-
夢分析を始めてから、初めて見る夢は今後のキーワードになることが多い
私が、夢分析をやろうと決めて、初めて見た夢をご紹介しますね。
自分の家の風呂ではない風呂にゆっくりとつかっている。お風呂の中で、クッキーを食べている。夫が昨日もらってきたクッキーだったことを思い出した。夫が急にそばに来た。「間違って食べちゃった。ごめんね。」というと夫は無言で怒って許してくれない。
風呂→初めて見る夢には、水に関係する夢を見ることが多いと言われています。ユング心理学で水は無意識をあらわすと言われていていて、無意識の世界への探求が始まったサインです。
服を着ていない→服はペルソナ(自分が着けている社会的な仮面)をあらわします。服を着ていないということは素の自分を探すことがテーマと言えそうです。
夫は無言で怒って許してくれない→夢分析を始めたときは、夫との関係がテーマでした。いつも「気をわるくさせてはいけない」と思っている自分がいました。今振り返ってみると、夫は自分の中の男性性をあらわしていて、男性性(仕事や昇進、合理的にものを進めることなど)にこだわる自分がいたんだなと感じます。
印象的な夢を絵に描いてみると、夢のテーマがわかることもある
印象的な夢を絵に描いてみると、夢を俯瞰的に見ることができ、テーマがわかりやすくなることもあります。
夢分析を始めて1か月ほどしたときの、夢と絵をご紹介します。
どこかツアー旅行に出かけている。帽子を預かってくれるというので、自分の帽子を見たら、ボロボロになっていることに気が付いた。あたらしく白いリボンのついた帽子と交換することにした。
ツアー旅行→集団生活の暗示
帽子→ペルソナで、そとから見た自分を気にしていることをあらわしています。
古い帽子と新しい帽子→ペルソナが古くなっているなと無意識の自分が気づいたのでしょう。ペルソナはひとつだけじゃなく、いろんな面があるんだよというメッセージだと受け取れます。今までの帽子が男性的な茶色い帽子でしたが、白い帽子は女性的です。自分の中の女性性も大切にしたら?というメッセージだと感じます。
いくつかの印象的な夢から自分のテーマを受け取る
私の場合は、ペルソナが大きなテーマだということが、夢を通して感じることができました。また、私は仕事を頑張りすぎるところがあったので、自分の中の女性性を受容していくこともテーマだなということが、夢にあらわれています。
まとめ
夢分析は、とにかくつづけてみるとわかることが多いです。
今回久しぶりに昔の夢を振り返ってみましたが、自分が変化したことで新たにきづくことも多く、夢分析は奥がふかいなあと感じています。
誰かのアドバイスを聞くよりも、自分が自分のことを一番よく知っているんですね!
あなたも、夢分析を楽しんでみてくださいね。